博士とは、職業でない。一代限りの「資格」である。組織や会社名を頼らずに、自分の名前で生きてよいという「資格」認定である。安定より不安定に強いはずであり、自立心が強く、大企業に向かないのは当然である。会社に雇用されるよりも、起業するのに適している。
問題は、博士を取ったから研究者になりたいという人が多すぎることにある。博士は、資格であり職業ではない。「適塾」という蘭学塾(科学塾)を出たからといって、医者や科学者にならなくてもいいと緒方洪庵が言うのと同様に、理系博士を取ったからといって皆が研究者という職業につく必要はない。政治家になるのもいいし、映画監督になるのもいい、小説家、ジャーナリスト、学者、官僚、そしてもちろん起業家など。およそあらゆる知的かつ社会貢献型の職業が、博士を取ることによってより高いレベルで得られるはずである。
つまりは、研究者にこだわらず自分でなんとかしましょうよ、ということでしょうか。



